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日中韓共同・横浜開港150周年記念映画 「3つの港の物語」
日頃より日中韓共同・横浜開港150周年記念映画製作にご理解、ご協力をいただき、誠にありがとうございます。
去る2007年7月18日に日本編「横浜」のストーリーの公募を締切りました。沢山の皆様のご応募誠に有難うございました。
8月16日に一次選考会を行い、厳正なる審査の結果、以下の21作品が最終選考にノミネートされました。
8月29日に最終選考会を実施し、受賞作の発表は当サイト上にて2007年8月31日(金)に行われる予定です。
今後とも、日中韓共同・横浜開港150周年記念映画製作をどうぞ宜しくお願い致します。
エントリーナンバー/作品タイトル/ 作者名orペンネーム/・冒頭テキスト
【9】 動くな!(コムチャクマ) / 小沢 康弘
吉村ワタル(28才)はランドマークタワー内の語学学校で韓国語の授業を受けていた。講師は仁川(インチョン)出身の韓国人・李由理(イ・ユリ/25歳)。授業中、二人は密かに見つめ合う。恋人同士になって1年が経っていた。
授業の後、夜の山下公園でワタルと由理はデートをする。夜の海を眺めながら、由理は自分の過去を話し始める。父(アボジ)が日本人のビジネスマンだったこと、父は2ヶ月に1度ほど訪ねてきたこと、10年前にふっつり来なくなったこと、母(オモニ)が3年前に病死し、妹の由那(ユナ/21才)と一緒に日本へ来たこと……。
【13】 港町・横浜のルリ / 鳥越 克己
海の匂いは何処も同じだと高坂ルリ子は思っていた。ハマで生まれ育ったのに違いがあるのを、戻って始めて知った。
七年前、横浜の女子大英文科を出たけどバブル崩壊の真っ只中で企業は新規採用を控えた就職難の氷河期だった。判で押したように黒のリクルートスーツを着込み、交通費を惜しんで何ブロックも歩いて足を痙攣させたりした。夏休み前には内定を、と思ったのが盆になり夏休み中には、と必死の覚悟だったが秋になっていた。
【15】 *タイトルなし / 野宮 安寿
横浜市内の住宅地にひっそりと建つ「とよはま医院」。初代が亡くなってからは、娘の美代が院長としてきりもりしている。美代は一度結婚したが、離婚していて、今は母のなみ、娘の未来(みく)との三人暮らし。母はもと看護士で、美代の有能な助手。未来は短大生で、モデルを夢見ている。
【16】 中華街のサンタクロース / 青木 前
李 亮太(19)は日本と中国のハーフ。無職で酒びたりの自堕落な生活を送る、父・李 陽(45)と沖縄で暮らしている。かつて陽は横浜の中華街で働く腕のいい料理人だった。日本人女性・綾子(42)との間に亮太をもうけて、小さいながらも夫婦で懸命に店を切り盛りしていた。しかし詐欺に遭い店をとられてしまい、それが原因で陽は酒に溺れ、自暴自棄になってしまう。家庭は崩壊し綾子と別れ、まだ4歳だった亮太を連れて親戚のいる沖縄まで流れてきた。
【17】 *タイトルなし / 門脇 哲史
写真の専門学校に通う洋一は、コンクールのために面白い題材を探して横浜の街を歩いている。洋一の見つめている物や場所は、中華街やみなとみらいのビジネス街など、今も発展を遂げつつある横浜の風景。しかし何度シャッターを切っても思うような写真は撮れず、洋一は気晴らしに海の風景でも取ろうと山下公園へと向かう。公園では氷川丸やマリンタワー、遠くの海にレンズを向ける。それから何も考えずに公園に居る猫や鳩を撮影していると、車椅子に乗った老婆が近づいてくる。
【19】 *タイトルなし / 高橋 浩
少年(18)ガスケートボードに乗って、みなとみらいを疾走していた。あたりをよく注意して見渡しながら。そうして、桟橋にひとり佇んでいる老人(88)を見つけて笑みを浮かべた。
「『見送り屋』ってのは、あんたか」
「そう呼ぶ輩もいる」
【20】 スケッチブックの彼女 / 後藤 美奈子
ホスピス病棟はその病院の最上階にあった。母方の祖母である美子さんが一般病棟からそこに移った日、旅行のガイドブックを買えるだけ買って持って来るようにと電話があった。すぐに本屋に走り大きな紙袋にガイドブックを詰め込んで病院のエレベーターの最上階のボタンを押した。天へ昇る気分ってこんなものだろうかとエレベーターのガラス越しに遠のく中庭を見下ろした。
【27】 遠い約束 / 酒井 政美
木枯らし吹く中華街の裏通り、閑古鳥が啼くラーメン屋・萬福の女将良子は、息子の吾郎が呆れるほど、ボランティアに精を出していた。たまたま出前で訪れた、身寄りの無い老人・千石の食事の世話を、店はそっちのけで始めたのである。貧相な息子の食事とは対照的に、家計も省みずに、高価な食材を惜しげも無く使うのである。
【29】 海時計 / 真果(まなか)
蛍光灯のうすだいだいがうす紫がかった暁のガラスに不自然な色をのせるようになると、バイトの終わりの時間がやってくる。地下にある店から大量に出た生ゴミをまとめて階段をあがって地上に出ると、夏の朝独特のひんやりとした潮のにおいが鼻をかすめ、根岸線の始発がはしる音がかすかに耳に残る。カウンターと個室が数個しかないこじんまりしたカフェバー「ゆるぎ」。自分もお金を払ってお客として来たいと思える店だから、ドタキャンばかりのバイト歴にはめずらしく最長記録を更新しているのだと思う。
【30】 Dolphin Tail / 吉田 扶美子
横浜・根岸。実結は生まれてから17年、この町に住んでいる。母の里美が、「ユーミンの曲に出てくる、レストランのある町に住みたい!」という理由でここを選んだと、幼い頃から何度も聞かされ続けて育った。
【34】 力車 / 坂東 誠一
晴天の横浜・関内。元高校教師の木島恵子は、横浜球場前の広場で人力車夫の美馬健太郎と出会う。健太郎の父、健一は恵子の元教え子で、恵子の誕生日であるこの日、健太郎の人力車を一日貸切りで恵子にプレゼントしたのだ。人力車に乗るのは初めてと少し尻込みする恵子に、健太郎は恭しく頭を下げ、手作りの横浜イラストマップを差し出す。
【36】 港の見える街並みで / 関山 陽一
僕は横浜生まれの横浜育ち。今年二十八才になるがまだ結婚はしていない。それでももう八年付き合っている同じ年でハマッ子の彼女がいる。付き合った当初は東京タワーやディズニーランド、お台場、みなとみらいなどあらゆるデートスポットに行ったが、このごろは近所のスーパーや居酒屋ばかりであまり遠出しなくなった。何度か結婚の話も出たが、どうも彼女が乗り気ではなかった。
【39】 出船まで / 比嘉 昇盛
青年がタクシーの前に飛び出して来る。間一髪、女運転手の急ブレーキが間に合う。怒鳴る運転手に謝った後、青年・翼はどうしても四時までに大桟橋まで行きたいと告げる。恋人・小百合が世界周遊に出るのだ。翼を乗せて大桟橋に向かった運転手は喧嘩別れかと問う。道中、翼は事情を説明し始める。
【41】 60年目の恋 / 孫 美幸
木下冴子(19)は、横浜で生まれ育ち、現在大学生。大学の講義が終わると、自宅近くにある横浜中華街の雑貨屋でアルバイトをしている。アルバイトを始めて数ヶ月がたった頃、中華街であったイベントの手伝いを通じて知り合った趙健二(21)とつきあうようになった。健二は中国人の父と日本人の母をもち、両親の経営する中華料理店を手伝っていた。
【43】 絵師 / 俵山 政人
これは生き方に迷って途方に暮れている世代違いの2人の男の物語。
横浜の中心部にありながら昭和の雰囲気が残っている六角橋商店街が朝日で白んで来る。ある商店の2階の和室で布団に横たわっている高田末蔵(90)が大きな唸り声を上げている。声を聞いて入って来た末蔵の姪、律(60)が末蔵の様子を見て慌てて駆け寄る。布団の横に薬の袋と錠剤のシートが散乱している……自殺未遂だ。末蔵が主人公の1人である。
【54】 海を見つめるということ / 野田 美弘
横浜市中区海岸通り一丁目「象の鼻地区」、再開発が進む横浜の港において、ここだけ取り残された感じがする古びた波止場。ここは、1858年に横浜港が開かれた際、最初に作られた波止場である。海に突き出た防波堤の形が象の鼻に似ているため、「象の鼻」と呼ばれる。
2006年初夏。これは、その波止場に面した場所にささやかにたたずむ喫茶店「象の鼻」の、ささやかなお話。
【79】 太平洋の白鳥 / 今井 通江
あやのは24歳のOL。短大卒業後、横浜の企業に勤務して4年。仕事にも慣れ、後輩の指導も任されるようになってきたが、毎日をこなすだけで過ごしているような物足りなさを感じていた。
そんな折、祖父から突然の電話が。GWに横浜に行くのでみなとみらいへ連れて行って欲しいというのだ。子どもの頃はよく遊んでもらったが、短大進学とともに実家を出て横浜に住むようになってからはお正月に会う程度だった。
【80】 麒麟 / 橋本 信之
坂道の途中にある、小さな古い洋館造りの家で、秋嶋沙戸子は祖母と二人暮らしの静かな生活をしている。彼女はあと三日で、二十歳になる。昼間は老舗の洋菓子店で働き、夜は大学で文学を勉強している。作家になるのが、彼女の夢だ。
【85】 風の約束-a litte windy story- / 林 翔太
横浜市内の中学校に通う春菜(15)は、いつも公園(山下公園と港の見える丘公園を想定)を通って登下校している。ある日、下校途中の春菜は公園(港の見える丘公園を想定)の頂上で、奇妙な男・アキラ(27)に出会う。アキラは広げた絨毯の上にたくさんの風車を並べていた。話をかけてみると、アキラは風を売る商人なのだという。足元の小さな看板には「風、売ります」と書かれていた。
【89】 伝説のバーテンダー / つる家 千年
2009年、開港150周年に盛り上がる横浜。中華街でも一際目立つ、パフェ屋「ドラゴン スイーツ」がオープンした。
中華街の料理屋でバイトをするクレナイ(本名 信田紅)は、19年の不毛な人生で、唯一の楽しみがパフェを食べること。そんな彼は出勤途中に見つけた、オープンしたての「ドラゴン
スイーツ」にふらり一人で立ち寄った。
【105】 すべて夜になる日まで / 深田 晃司
ある港町の大病院。中学生の柚壬子は、病気で入院中の母(柚夏)を見舞っている。母の表情は険しい。手には柚壬子の成績表、惨々たる結果である。小学校のときから何度も繰り返されてきたお小言が、また繰り返される。そんな母にうんざりする柚壬子。同病院に重症患者が運び込まれる。ベッドに横たえられ治療室へと運ばれていく患者。震動でその患者の手のひらからひとつのイアリングが零れ落ちる。柚夏の病室から出てきた柚壬子、そのイアリングを拾う。
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